ホテル客室清掃員サブリーダーのブログ

ホテルや旅館の客室清掃が心底好き。掃除が好き。キレイが好き。客室清掃に役立つ豆知識とか、たまには毒を吐いたり。

ホテル清掃員がまとめたオゾン発生器の最新情報(2020.05.8)

ホテルで使用されるオースリークリア3

ホテル清掃員がまとめたオゾン発生器の最新情報(2020.05.8)


こんにちは、サブリーダーです。

私は仕事柄、悪臭や感染病予防などの観点から、菌やウイルスのことを考え、対策などを講じることが多いです。
おかげでだいぶ詳しくなってしまいました。

そんなこともあり、仕事・私生活でオゾン発生器のことを尋ねられる場面がちょこちょこあったんですよね。
けど、それは「ちょこちょこ」でした。
それがコロナ騒動で、×10くらいになっています。
これ決して誇張しているわけではなく、数えてなんかないので正確性には欠けますが、実際そのくらい増えているのでは、、と思うほどしょっちゅう聞かれるようになりました。

そんな経緯があり「オゾン発生器の最新情報をこのブログでまとめたら、誰かの役に立てるかなぁ」なんてふうに思った次第です。

手前味噌のようで恐縮ですが、清掃員としての私の「リアル体験」を元にしていることと、この数年間、オゾンに限らず、次亜塩素酸(ナトリウムも次亜水も)やアルコール(エタノール)など、菌を殺したり、ウイルスを不活化させたりの情報は個人的な興味もあり、かなり深いところまで調べましたので結構参考になると思います。

オゾン発生器とは

オゾン発生器とは

オゾン発生器とは



オゾン(O3)を放出する機器で、宿泊施設業や自動車関連業、食品加工業など、衛生における問題が時に命取りになるような業界では「知る人ぞ知る」という感じの機器です。
感染病予防という観点から医療施設や介護施設などでも利用されています。

ライバルというか、同程度の効果があり、シーンによって使い分けられる似たような機器に「アルコール噴霧器」とか「次亜塩素酸(ナトリウム)散布機」などがあります。
オゾン発生器、アルコール噴霧器、次亜塩素酸散布機、これらはすべて「菌を殺すこと(殺菌)」と「ウイルスの不活化(感染できない状態にすること)」が目的です。
なかでも、オゾン発生器が一番使いやすいですし、適したシーンが多いと感じます。

オゾン発生器には業務用と家庭用がある

オゾン発生器には「業務用」と「家庭用」があります。
違いは、オゾン発生量と風量です。(もちろん価格もですが)
また、業務用と家庭用では、まさに言葉通りオゾン発生量が「桁違い」です。
よって、
業務用オゾン発生器→人やペットがいない環境で作業
家庭用オゾン発生器→人やペットがいる環境で常時稼動OK
となります。

[業務用オゾン発生器]
オゾン発生量100〜10,000mg/hr
5,000mg/hr以上の製品は、業務用と呼ばれるなかでも、いわゆる「ガチ」のやつで、特殊清掃の現場などで使用され、まともな製品(ポンコツも少なくない)であれば、50万円以上はしますね。

おすすめは、適用範囲が30㎡〜150㎡の製品で、オゾン発生量が500〜2,000mg/hr程度のもの。
適用範囲は「大は小を兼ねる」の考えで問題なく、オゾン発生量が多量であればあるほど作業が早く終わります。
そのため「ぴったりの適用範囲」を選ぶ必要はありませんので、ご安心下さい。
相場は、オゾン発生量や風量などのスペックにもよりますが、5〜40万円程度でしょうか。
業務用オゾン発生器ならオースリークリア3という製品が圧倒的おすすめ。
うちもそうだが、このオースリークリアシリーズを導入している施設はかなりの数だと思われます。その最新モデルがオースリークリア3になります。
ちなみに、この機種はオゾン水もつくることができる万能型オゾン発生器なので、本当にいろんなシーンで活躍してくれます。

業務用オゾン発生器を選ぶ際、気をつけてほしいことは「激安オゾン発生器には注意すること」です。コロナ騒動に便乗して、安全性や製品寿命などがマジでヤバそうな製品も売られているので本気で注意したほうがいいです。

[家庭用オゾン発生器]
オゾン発生量0.5〜50mg/hr
オゾン発生量が5mg/hr以下の製品はほぼほぼ意味ないです。
せっかく購入するなら、オゾンクルーラーのようなやつがおすすめ。

ホテルや医療施設、介護施設などで使用されているオゾンクルーラー

オゾンクルーラー


これ、実際に私も自分の家と実家で使っていますが、マジでめちゃいいです。

オゾンクルーラーのオゾン発生量は最大で200mg/hr。
「えっ、さっき家庭用オゾン発生器のオゾン発生量は0.5〜50mg/hrって...」
と思われるかもですが、この製品にはモードが3つあって、

1.マイナスイオンのみ(800万個/cm3
2.オゾン+マイナスイオン(オゾン発生量は実質33mg/hr)
3.業務用製品顔負けの強力モード(オゾン発生量200mg/hr)

そんな感じになっておりまして、もっとも使われるモードが2のオゾン+マイナスイオンモードです。(私はほとんどがモード2、たまーに、外出時にモード3を設定します)


オゾンにはどんな効果があるの?

オゾンの効果

オゾンの効果

オゾンは、巷で販売されている消臭剤や芳香剤のマスキング(覆い隠すの意)とは異なり、菌やウイルスにオゾンが直にアタックして分解することで、根本からその原因を消滅させます。(なので、ニオイ戻りなどもほぼない)
そんなオゾンにはさまざまな効果がありますが、代表的なものをいくつかご紹介します。

  • ウイルス不活化(感染できない状態にすること)
  • 菌の殺菌消毒効果
  • 消臭及び脱臭効果
  • 忌避効果(ゴキブリやネズミ)
  • 野菜や果物などの鮮度保持効果

現在、世間を騒がせている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止策にも有効のため、今宿泊施設でオゾン発生器を使っているところはかなり多いはず。
宿泊施設関係者はご存知のとおり、新型コロナはトイレの床と寝具のなかでも枕がめちゃヤバいです。
ドアノブ、スイッチ、テレビのリモコンなどなど。
ヤバそうなところはいくつかイメージすると思いますが、圧倒的にトイレの床と枕。←この2つのポイントで部屋全体の感染リスク7割ほどを占めると言われています。
で、オースリークリアシリーズのようにチューブが付属する機種であれば、枕や枕カバーをビニールに入れるなどして、集中的に殺菌消毒作業が可能な点も◎
ちなみに、あのダイヤモンド・プリンセス号で除染作業に入った除染業者もオゾン発生器を使用しています。

オゾン発生器の危険性

アルコールや次亜塩素酸ナトリウム同様、オゾンも菌やウイルスを殺菌消毒するわけなので「いついかなるときも完全無害」とはいきません。
アルコールも次亜塩素酸ナトリウムもオゾンも、みんなそれなりに危険性があります。
とはいえ、危険性をコントロールすれば「とてつもない効果がある」から、これだけ普及するわけで、またその「危険」というのも、実はさほど危険ではありません。

オゾン発生器における危険性は「高濃度のオゾン環境下のなか、人やペットが長時間そこに滞在しない」これだけです。
めちゃ簡単ではありませんか、これ?

たとえば、加湿器(超音波)では、死亡事例がありますが、オゾン発生器や空気清浄機では今のところ死亡事故などありません。というか、そこまで深刻なものでなくても、些細な事故であっても一度も聞いたことありません。(オゾン発生器も空気清浄機も家電ですから、些細な事故とかはあるのでしょうが)

[業務用オゾン発生器]

オゾン発生量100mg/hr以上のオゾン発生器
必ず人やペットがいない状態で運転する。
ただし、運転が終わり、機器の回収やスイッチOFF、換気のために窓を開けるなどのために短時間の入出は問題なし。(私は軽くタオルで鼻と口を覆いながらサッと入りサッと出てきますが、それで何ら問題なし)
ただし↑これはオゾン発生量が2,000mg/hr未満の場合。
それ以上のオゾン発生量の機種をお使いの方はみんなプロフェッショナルだと思うので、ここでは割愛します。

[家庭用オゾン発生器]

オゾン発生量0.5〜50mg/hr
10mg/hr以上になると、だいたいの製品で「モード」があります。
そのモードをよく理解し、必ず適用範囲内で使用する。
そうすれば危険な状態になどなり得ません。


日本製のオゾン発生器

オゾンクラスター1400到着時に撮影

オゾンクラスター1400到着時に撮影

現在日本で販売されているオゾン発生器は、日本製・アメリカ製・中国製・韓国製・ドイツ製・イスラエル製などがあります。
日本製のオゾン発生器で特に人気が高いのは、オゾンクラスター1400あたりでしょうか。
うちはオースリークリア3とこの機種を併用しています。
作業時間的には、オースリークリア3の約半分程度の時間で作業できる感じですし、とてもパワフルですが、オースリークリア3が優秀すぎるため、最近出番が少ないような気がしないでもない...
はじめの1台として買うならとてもいいと思います。スペックや性能的にも競合より圧倒的に安いですし、日本のパーツを惜しみなく使用した「THE 日本製」みたいな製品なので、品質はめちゃ高いです。


オゾン発生器が救急車で使われている?!

東京消防庁の救急車全台にオゾン発生器が搭載されている

東京消防庁の救急車全台にオゾン発生器が搭載されている

感染予防を目的として、東京消防庁の救急車全台にタムラテコの「バクテクターO3(オゾン発生量最大40mg/hr)」という機種が搭載されているそうです。
品質が高く、販売価格に魅力を感じる機種があれば、特にこの製品にこだわる必要はないと思います。
ただ、東京消防庁の救急車全台に搭載というインパクトというか、信頼感はちょっとすごいですよねw
もし、この製品に興味がある方は先回りしてこの「バクテクター 口コミ」「バクテクターO3 評判」などで調べてみるといいかもしれません。

オゾン発生器は車内の悪臭を消臭できますか?

消臭というか「脱臭」できます。
なので、一時的な効果ではなく、根本から悪臭問題が解決されます。
ホテルや旅館等の宿泊施設では送迎用のワンボックスやミニバス的な車両を所有していたりしますよね?
そういう車両の車内も、普段客室清掃で活躍してくれているオゾン発生器を持っていき、ササッと脱臭しちゃっています。
ちなみに、客室よりめちゃ早く作業が完了します。(客室より天井が低く、物が少ないシンプルな空間のため)


オゾン発生器でタバコ臭も消せるのか

業務用(無人環境)なら可(というか得意分野)、家庭用であれば、オゾンクルーラーレベルの機種なら可。その他の家庭用オゾン発生器ではちょっとパワー不足といったところでしょうか。
ちなみに、オゾンクルーラーであれば「オゾンを5分間放出、マイナスイオンを25分間放出」というモードがあるので、そのモードなら人やペットがいる環境下でもタバコ臭を消しされます。
ただし、あまり強いタバコ臭は業務用オゾン発生器で無人環境で一気に集中して作業した方が確実です。

オゾン専業メーカー

オゾン発生器を製造・販売するメーカーで私が個人的に信頼できると感じている企業は次の4社。

  • オゾンマート
  • タムラテコ
  • オーニット
  • エコデザイン

この4社は、顧客対応などもかなりしっかりしている印象です。
オーニットは、剛腕シリーズを製造しているメーカーで、業界ではいわゆる「老舗」的な存在です。
先に紹介した東京消防庁の救急車に搭載されているバクテクターO3はタムラテコ社製です。
そして、今もっとも勢いがあると思われるオゾンマートは「コスパのオゾンマート」と言われるくらい品質が高い商品が安いです。
オゾン発生器って、安いやつを探そうと思えば、中国製の数千円のものからあるんですよね。
けど、それはあくまでも「販売価格が安いだけ」のことが多くて、事故などにつながったり、ちゃんとメンテしてもらえなかったり、保障がなかったりで、最終的にその安さが高くつくケースが多いです。(オゾン発生器に限らず)
その点、オゾンマートは違います。
「コスパのオゾンマート」と言われるだけあって品質が高いのに販売価格が安いんですよね。
私は実際に複数メーカーの製品を同時利用していた時期がありましたが、そのときにそのことを痛感しました。ぜんっぜん違いますからね、実際に。

私界隈(とても狭い界隈w)では、オゾンマートかオーニットが本命ですかね。
まぁ、ホテルや旅館などの宿泊施設でこの2社にお世話になっているところはかなりあると思います。
なぜなら、宿泊施設において感染症予防と菌の殺菌は徹底しなければ死活問題ですし、悪臭問題は同程度に重要事項です。
そして、そもそも悪臭の原因は菌の増殖ですから、それを抑止(静菌)するか、殺菌するかしないとなりません。
そのことを踏まえると、気体と液体で作業に使用でき、しかも残留性がないオゾンがもっとも扱いやすいため、宿泊施設にとってオゾン発生器は必要不可欠な存在です。

また、オゾンマートはメーカーでありながらメーカー直販サイトがあるので、何かと買いやすいです。
オゾン発生器に興味をお持ちであれば、一度はチェックすることをおすすめします。

オゾンマート公式サイト