ホテルの客室にあるコップの「消毒済み」について
画像:http://www.travel.co.jp/stay/hotel/845238/review/278975/
客室にコップや湯呑などがあって、それにビニールが掛かっていて、「
「あれって、本当にちゃんと消毒しているの?」
と聞かれることがこれまでの人生で10回くらいありそうです。(本気)
ホテルのクオリティにもよるので一概には言えませんが、基本はキレイにされています。「キレイにされている」とはいうものの、「消毒されているのか」と問われれば、「えっ、いや、消毒、、というか、ちゃ、ちゃんとキレイにしてるけど何か!」みたいなホテルは結構ありそうですw
「消毒」とは何でしょう?
消毒に似た言葉で、除菌、殺菌、減菌、静菌、抗菌などなど。パッと考えただけでこんなに出てきます。
あっ、滅菌という言葉もあります。
滅菌>殺菌>消毒>除菌>抗菌>静菌
という感じでしょうか。まぁ、「除菌」と「抗菌」はさほど変わりませんね。。
で、文字からしても一番強そうな「滅菌」これは菌を全滅させることです。1つの菌も残すことなくまさに皆殺しです。人間は良い菌・悪い菌とともに生きていますので、人間を滅菌することは不可能です。できるとすれば、それは死んだときだけですね。ですので、人間などに対して滅菌という言葉が使われることはありません。この言葉が使われるのは主に歯科医院や医療機関などのたとえば手術器具などに対してですかね。
殺菌と消毒という言葉も普通の人のイメージとしては結構菌を倒してくれそうなイメージでしょうか。そのイメージは正しいです。ただ、少しややこしくなるかもですが、先に説明した「滅菌」も菌を殺すことにかわりはありませんので、「殺菌」に含まれます。殺菌の中の最強部隊という感じでしょうか。
消毒も菌を殺しますので「殺菌」に入ります。
図にすると分かりやすいかもしれません。
こんな感じです。
そして、「殺菌」や「消毒」という言葉は誰でも好きなように使っていいわけではありません。薬機法(旧薬事)という法律でその使用は制限されます。どういうことかいうと、「除菌」や「静菌」を殺菌とか消毒と表現したらダメですよ、ということです。(実際は「ダメですよ」なんて生易しいものではありません)
すみません、本題からそれすぎですよね。ごめんなさい。話しを戻しますね。
で、ホテルのコップには「消毒済」とあるわけですので「消毒」したと主張しています(笑)
あのコップはどうやって消毒されているかご存知でしょうか?
通常、洗剤洗いして、紫外線殺菌装置で滅菌した後、ビニールに入れたりします。場合によっては帯が付いていたりしますよね。
コップだから滅菌できるんですね。滅菌といえば殺菌と呼ぶ中で最強の部類に入ります。「消毒済」だろうと「滅菌処理済」だろうと、滅菌処理をしていればどのような表現をしてもまず問題になることはありませんね。
ただ、実際にそんなに丁寧にやっているホテルは多くありません。関係者の方々は心当たりがあるはずです。
少しだけ水滴が残っているだけのとき、手元にある布巾などでサッと拭いたりしているだけ、という清掃員の方もいると思います。(私はこれまでそういうことをしている現場をたくさん見てきました)
「水滴残しがなければOK!」みたいな。
それはそれでそこのやり方というか方針というか、サービスの品質なのでしょう。私がとやかくいうことではありません。
しかし、もしそうなら、「消毒済」という言葉は嘘になりますので、その言葉は一切使ってはいけませんよ!
宿泊者が払っている宿泊料金には、その消毒済みのコップも含まれていると考えることもできます。消毒していないのに消毒済みとすればそれは嘘ですから、嘘ついてお金もらったらそれは問題でしょう。
私すごい普通のことというか、当たり前のことを言っていますよね?
けど、あまり仕事に慣れない内にこういうことをいうと、「おまえが時間内に◯◯部屋(部屋数)できるようになってから言え」みたいなことを言われることがあります。それでなくたって、この業界、アホみたいなイジメがあったりするんです。(私はそういうの見つけたらオニギレします)
結論をいいます。
こんなことをいえば誰かに怒られそうですが、私は1泊7,000円以下のホテルや旅館では客室内のコップは使用しません。
あまり参考にならないざっくりとした結論ですが、参考にして下さい(笑)
現場からは以上です。